INTERVIEWインタビュー

東急不動産株式会社
九段会館テラスマネジメントオフィス 副支配人 奥平将生 様
都市事業ユニット 開発企画本部 開発第二部 下川麻衣子 様

歴史的価値を生かしテクノロジーと融合する九段会館テラス

社名
東急不動産株式会社
事業内容
貸事務所業、建物売買業
創業時期
1953年
URL
https://www.tokyu-land.co.jp
課題 Subject
ES(従業員満足度)に主眼を置いて
導入 Introduction
人を滞留させない仕組みを作る
効果 Effect
電話対応が不要で効率的に
展望 Outlook
地域性を生かし建物の個性を発展させていく
課題

ES(従業員満足度)に主眼を置いて

サイネージ導入にあたり、PDCを選んでいただいた理由を教えてください。

下川様(以下敬称略):前任者が東京ポートシティ竹芝の事例を拝見し、PDCさんにお願いすると決めていました。
HPとサイネージの連携やデジタル×コンテンツといった竹芝での取組みがうまくいっていることから、採用を決めたのではないでしょうか。

▶東京ポートシティ竹芝(開発・運営:東急不動産株式会社)のインタビュー
https://www.pdc-ds.com/interview/3264

担当されているプロジェクトの当時の状況についてお聞かせください。

下川:私は建物本体、いわゆるハードの計画を担当しており、HPやサイネージなど、ソフトの知識はゼロでした。物件の規模やコンセプトの中で、東京ポートシティ竹芝と同じことはしないけれど、歴史的価値のある建物の中にソフトをどう取り込むかをPDCさんに一緒に考えていただいた感じですね。



奥平様(以下敬称略):
僕は、建物が竣工してからの施設の運営管理をメインに担当しています。

九段会館テラスにはどういう業種の方が多く入居されていますか?

奥平:IT、メーカー、金融、製薬、食品など様々ですが、九段下エリアやその周辺に縁のある会社さんが、立地改善や従業員の満足度向上を目指して入居される場合が多いです。
また、この九段会館テラスは「旧九段会館」の創建当時の技術・素材を活かして保存・復原を行なった保存部分と、皇居のお濠を臨む地上17階建てのオフィスからなる新築部分で構成されています。新築エリアは広いオフィスが多いのですが、保存エリアには小さなオフィスも多く、広さにバリエーションがあります。役所も近いので士業を営んでいる方も多数ご入居頂き、主に重厚感を気に入っていただいてるようです。スタートアップで人数が少ない会社さんにも最適だと思います。

建物内のテナント構成にはどんな工夫がなされているのですか?

下川:社会背景も踏まえ、ES(Employee Satisfaction/従業員満足度)を重視するようになりました。弊社のビルにご入居いただくテナント様の健康経営に貢献できることはないかと検討し、地下にクリニックモールを形成することにしました。利用頻度の高い診療科目を揃え、薬局もあります。就業しているビル内の病院であれば、ちょっとした体調の変化や不安といった未病レベルでも、気軽に受診にしていただけるのではないかと期待しております。また、クリニックモールと同じフロアに仮眠室を設け室内に体組成計を導入しました。これらも健康経営に少しでもお役に立てればとの想いからです。


導入

人を滞留させない仕組みを作る

まずは、どのサイネージから導入しようと思われたのですか?

下川:館内の方々にエレベーターホールの混雑状況を告知するサイネージからですね。東京ポートシティ竹芝の場合は、エレベーターにより多くの人を効率よく乗せることに主眼を置き導入されていたと思います。でも現在はコロナ禍の状況があるので、いかに同じ場所に人を留めさせないかという逆の発想で計画いただきました。これが非常に役立っています。

エレベーターホール以外ではサイネージをどこに導入を?

奥平:プラザホールやオフィス従業員用のラウンジにも導入しています。昨今は健康増進法が注目されていることもあり、喫煙所がない施設が多い。また、あってもあまり多く設けられないのが実情です。当施設も、ビル全体で4000人くらいの就業人数を予定していますが、喫煙所に入れるのは11人なんです。どうしても人が溜まりやすい。
そのため、オフィスにいる人がタバコを吸いに行く前にホームページで確認したり、外部の方はサイネージで見たりしてチェックしてから来られるようにしていただいた。これは入居者様からもありがたいというお声をいただいてます。コロナ禍の観点からも一役買ってくれています。


ビルに入ってすぐにあるサイネージでは、エネルギー消費量が表示されていました。

下川:今はSDGsの流れもありますし、各テナントが、このビルではどれだけ電気を使っているのか、水道を使っているのか、CO2を排出してるのか、という部分をかなり気にされています。そういうニーズに応えるためにもPDCさんに用意いただいたんです。


効果

電話対応が不要で効率的に

情報を一元化・自動配信化するプラットフォーム『One GATE』(ワンゲート)の使い勝手は?

奥平:運用の仕方は何回かPDCさんにレクチャーいただいて、週ごとに情報更新しています。数値を入力するだけ、2クリックぐらいで反映されるので一度教えたら誰でも出来て手間もかかりません。

具体的な効果を感じられた部分は?

奥平:九段会館テラスはオフィスだけではなく、商業施設や会議室があり、外部からいろんなお客様が訪れます。そんな方々に対し、この日は臨時でお休みですとか、この日は防災訓練がありますという情報を提供しています。テナントによって年末年始の休みが違うので、サイネージとホームページに連動させて告知しています。これにより、これまで年末年始にビル側へ集中していたお客様からの電話問い合わせが非常に少なくなりました。電話対応のスタッフが不要になり、人件費や無駄な作業が減ったのがありがたいです。


展望

地域性を生かし建物の個性を発展させていく

九段会館テラス・ギャラリーも大きな見どころですね。

下川:隣に戦中・戦後の暮らしを紹介する「昭和館」がありますし、当施設も貴重な歴史的建造物です。小学生の見学や一般の方も訪れるので、長い廊下に不燃材の幕を屏風の様に並べ、九段会館の歴史を映像によるマッピングで美しく見せています。プロジェクターを計7台も使っているんですよ。
他にも、九段会館玄関上部の壁面には鬼神面という鬼の顔のようなレリーフがあるのですが、それをナビゲーターにして、面白く見せています。最初は壁に絵をプリントして終わる位のイメージだったので、こんな風に素敵に演出いただき嬉しく思っています。

他にも、計画されていることは?

奥平:館内にあるカフェやコンビニのホームページと連動して、季節キャンペーンの割引チケットを配布したり、雨の時に雨宿りのためのカフェの割引チケットを配布したり、外部環境情報と連動して、コンテンツが自動配信されるシステムを導入したいですね。
また、登録有形文化財なので華美なサインを付けるのは難しいのですが、館内のサインが少ないと迷われるお客様も多いので、タッチパネル式のルートマップや店舗構成があると便利だと考えています。歴史とモダンが融合する、より高度な施設へとつなげていきたい。
下川:目の前には武道館があり、すぐ横にはお濠があって春には桜がたくさん咲く抜群のロケーション。こういう場所は東京都に3か所しかないんです。見た瞬間皆さん驚かれる。稀少性のある素晴らしい立地なので、この地域に根ざした食材の販売や入ってすぐのところでの飲食の販売など、地域を巻き込んだ展開ができたらいいなと思っています。


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